あやたか オフィシャル(?)ブログ

地方国立医大生(休学中)のあやたかです。トビタテ, 米日カウンシルなど様々なプログラムを通して5回の留学経験があります🛫留学や何か面白いことをしようとしている人の力になる情報発信を目指しています:)

低学年から研究室に行くには・研究室の選び方

オランダで精神疾患の研究をしていた、地方医学生のあやたかです。

 

私は学部2年のときから研究室に所属し、3年の夏にオランダにて研究していました。

医学部には卒論がないので、そもそもゼミや研究室に配属されるというシステムがありません。(あるっちゃありますが他の学部とはやや異なります、これについては後述)

 この記事では、そんな医学部生活の中でどのように研究室に所属し、オランダ留学につなげたのかについてご紹介します。

 

はじめに

最初に断っておくと、私は研究者志望の学生ではありません。

研究室を探し始めた当時も、

「研究って実際は何してるんだろう」

「楽しいかな?」

「3年の夏に研究留学するにはそろそろ自分の大学で研究室に所属しなくては〜」

くらいのテンションで探していました。

 

医学部の6年間のうち、現場に出始めるのは5年生からで、

最初の4年間はひたすらに勉強、暗記です。

もともと実験やフィールドワークが好きな性格なので、

低学年でも何か手を動かしたいという気持ちもあって研究室を探していました。

 

医学部で「研究室に通っている」というと、

ものすごく意識が高い、もしくは研究が大好きな人だと思われますが、

私の場合はそうでもなく、ゆるっとした気持ちで通っていました。

 

そんな感じでも受け入れてくれる先生はいます。

ありがたや。

 

医学部と研究室

医学部を卒業する際に必要なのはもろもろの単位を取り、

卒業試験に合格することです。

研究室やゼミに所属して、論文を書くということは必要ありません。

 

かと言って、6年間の間に一度も研究に触れさせないのはまずいので、

一応どこの大学でも3年生か4年生に「研究室配属」の期間があります。

期間は大学や年によってまちまちですが、1ヶ月から6ヶ月くらいではないかと思います。

ちなみに群馬大学は配属期間が1ヶ月、その後に夏休み1ヶ月というスケジュールなので、

その気になれば2ヶ月間研究することができまます。

 

よっぽどやる気と能力があれば話は別ですが、

大抵の場合はカリキュラムで与えられた数ヶ月ではほぼ何も身につきません。(と思う。)

だから、もっと研究をやってみたい人は放課後や長期休みに

「研究室に"自主的に"通う」

ということになります。

 

私の場合は、研究室配属の期間に海外の大学に行ってみたいとずっと思っていたので、

その理由や動機を作るためにまずは自分の大学の研究室に所属することにしました。

 

何のテーマもなしに行ってもしょうがないので、

1年くらい下準備すればいいかなと何となく思って2年生の春くらいから研究室を探し始めました。

 

所属するまでの手順

ざっくりいうと、

  1. 授業や講演、あるいは芋づる式で気になる先生を見つける
  2. メールでアポを取る
  3. 研究室見学に行き、色々お話しを聞く

という流れで、これを繰り返します。順番に説明します。

 

  1. 授業や講演、あるいは芋づる式で気になる先生を見つける

私は児童精神科医になりたくて医学部に入りました。

そのため、「精神」「神経」というテーマで広く研究室を探していました。

 

自分の興味のあることを頭の片隅においておくと、

日頃の授業などで「お、この先生がやっていること面白そう」と思うタイミングがあります。

その先生にアポを取ってまずは話を聞いてみればいいのです。

研究室見学を希望する学生はそんなんい多くないので、

アポを取るだけで大体はものすごく喜ばれます。

 

また、先生とお話しする際に、

「今いろいろ見せていただいて探しているところなんです〜」をアピールすれば、

「そういえばあの先生も面白いよ」「xx先生のところに行ってごらん」

など、次の先生に繋いでもらうことができます。

低学年のうちは授業に登場する先生も多くないので、

ここでの芋づる式の情報収拾はかなり役に立ちます。

  

2. メールでアポを取る

気になる先生を見つけたら、次は研究室見学のアポを取ります。

以下に実際に私が送ったメールを貼り付けます。

 

XX先生

 
はじめまして。
医学科X年のXXXXと申します。
突然の連絡失礼いたします。
 
今回はXX先生にお願いがあり、連絡させていただきました。
 
最近、研究者の方のお話を聞く機会に恵まれたことや、
研究に所属されている先輩方の影響を受け、
基礎研究に興味を持つようになりました。
 
そのため、いくつかの研究見学させていただいているのですが、
もしよろしければ、XX先生の研究見学させて頂くことは可能でしょうか?
 
突然のお願いで大変申し訳ありませんが、ご検討よろしくお願いいたします。

 

…なんか色々日本語がおかしいですが、こんなもんでも大丈夫ということです笑。

 

この後大体「歓迎します!」という返信がくるので、

日程調整をし、実際にお邪魔する流れになります。

 

3.研究室見学に行き、色々お話しを聞く

いよいよ、研究室見学です。

指定された日時に普段着で手ぶらで行くだけなので、特に気負うことはありません。

大学によっては研究棟の案内がほぼない可能性があるので、

事前に下見するかメールの際に先生に詳しい場所を尋ねておくと安心です。

 

大体は、

①先生の部屋を尋ねて挨拶

②研究室ツアーwith先生

③先生とお茶飲みつつお喋り

という流れになります。

 

②③の際に気にするポイントは次の章で紹介します。

 

 

研究室探しのポイント

本気で研究したいか、ちょっと研究をかじってみたいか、など、

研究室所属のモチベーションによってポイントは若干異なってきます。

ここでは、「研究やってみようかな〜どんな感じかな〜」というテンションだった私がチェックしたポイントについて紹介します。

以下、私が重視した順です。

 

  1. 学部生に求めるレベル
  2. PI, 研究室の雰囲気
  3. 海外とのコネクションがあるか
  4. 研究室における学部生のポジション
  5. 研究室の実績

 

1.学部生に求めるレベル

一口に研究者と言っても、色々な先生がいます。

熱血な先生もいれば放任主義が強めの先生もいらっしゃいます。

 

「毎日x時からx時はここに来て実験を手伝ってね」

「部活とか試験が忙しくない時においで〜いつでもいいよ〜」

などなど、学生に求めるレベルは様々です。

また、院生か学部生かで対応が大きく分かれる場合もあるので

自分を指導してくれそうな先生に

 

「学生はくる日数や実験参加など何か満たすべき課題がありますか?」

「この研究室に所属している学部生の先輩はどのくらいのペースで来られていますか?」

 

などなどぶっちゃけて聞いてみるのが一番のおすすめです。

話しているときは優しそうでも実はブラックだった、というパターンもたまにあるので

そのラボに通っている/いた人を捕まえて話を聞くのもかなり有効です。

 

2. PI, 研究室の雰囲気

PIとはPrincipal investigatorの略で、研究室を主催している人のことです。

日本の医学部の場合は教授がPIであることがほとんどだと思います。

研究室の雰囲気はかなりPIの人柄に依存しているような気がします。

 

個人主義が強めで寡黙な先生方が集まっているところもあれば

みんなでワイワイ旅行に行くような研究室もあります。

仲が良かったり微妙だったり、発言権がみんなにあったり偏っていたり…。

 

「研究室の皆さんで食事に行かれたりしますか?」

「普段の雰囲気はどんな感じですか?」

 

といった感じで聞いてみるといいかもしれません。

 

 

3. 海外とのコネクションがあるか

私は海外の研究室へ留学したかったので、この点はかなり重要でした。

実際には、留学や共同研究などで海外に知り合いがいる先生は少なくはないため、

「海外にコネクションがあるか、かつ、繋いでくれそうか」

ということがポイントです。

 

私は実際に、指導教員の共同研究者のラボに留学しました。

指導教員の先生は本当にハートフルな方で、留学先での住居や奨学金など、様々な場面で相談に乗ってくださりました。

実際、今所属している研究室に入って良かった、と思う最大の理由は指導教員の先生に出会えたことであると感じています。

 

4. 研究室における学部生のポジション

研究室によっては、ラボ内に自分のデスクやロッカーを与えられる場合があります。

私はあまり気にしませんでしたが、

自分用のスペースが絶対に欲しい!という先輩もいました。

自習室代わりに使いたい人には特に重要かもしれません。

 

私の研究室にはあまりスペースがなかったので自分のデスクは与えられませんでしたが、

あまり使われていない机に論文や文房具を置いて若干私物化して使っていました笑。

 

5. 研究室の実績

 私はほぼ全く気にしていませんでしたが、

研究者志望の人や「やるからには一流の環境で!」という人には重要かもしれません。

低学年のうちは何が「すごい」研究で何がそうでないのか分かりにくいかもしれませんが、

授業中や訪問時に先生方が自分の研究を紹介・自慢(笑)する時に耳を傾けてみたり、

研究者志望の先輩方に聞いてみると分かることが多いです。

 

たまに研究内容がニュースや記事になっている場合もありますが、

メディア受けするものが必ずしも学術的に高い評価を獲得しているわけではないので、

あくまで参考資料の1つに過ぎない、と私は考えています。

 

さいごに

かなり長々と色々書きましたが、低学年で所属する研究室に求められるのは

「研究・研究室がどんなものか体験できること」

な気がします。(一部の本気で研究志望の人を除き。)

 

学生の特権は大人の懐を借りて色々と体験できることなので、

「合わなかったら違うところに行こう」というくらいの軽い気持ちで考えてみていいはずです。

 

皆さんが素敵な研究室や先生方に出会えますように!

あやたか